店舗デザイン
駅近く等の都市型の施設と、郊外店とでは来店者の利用交通機関の違いにもよって、その見せ方の考えは大きく変わってくるのは必然でしょう。
そもそも都市型の店舗では、建物内や隣接するビルに他の商業施設が入っている事がほとんどですから、視認される看板スペースも限られたものになってきます。来店するお客様も電車や徒歩で来られるかたが多のではないでしょうか。
一方で郊外店では、街道沿いの広い土地に立っている事が多い為、来店の方法も、自家用車が多く、都市型に比べて、広告看板に使えるスペースも自由に設計できる事が多いと予想されます。
イメージをデザインする中での都市型と郊外型での違いを考えてみましょう。
都市ではアミューズメント施設以外にも様々な建物が存在し、様々な人が行き来しています。そんな中で、1つ1つの建物をじっくり見る人はそう多くはないかと思います。つい見てしまう様なデザインにする事により、様々な人がそのお店を認識し、「この店で遊んで行こう。」、「今度、この店に来てみよう。」と意識を向ける様になります。
まずお店の看板の位置やデザインは、どのような店舗なのか、誰が見ても分かりやすい事を第一に考えます。「パチンコ&スロット」「カラオケ」「ゲームセンター」など、多店舗との違いを大きさや色などの視認性を意識しながら取り入れる事で、行き交う人々に意識を向けさせ、多くのお客様に立ち寄って頂けるデザインにすることができます。
郊外では都市部と違い、広い土地に店舗があったり、道が入り組んだ先に店舗があったりする事が多いかと思います。まずはインパクトで人の目につく様なデザインにして、より多くの人にお店の場所と名前を覚えてもらう事を第一に考えます。
けれどただインパクトが強くても外装が暗かったり、何のお店か分からなかったりするとお客様は来店しづらくなります。インパクトの中でも賑やかさ、華やかさを意識した工夫が必要です。例えばパチンコ店であればアイキャッチとなるロゴデザインを光らせたり、LEDビジョンの設置やコーポレートカラーを取り入れたり、夜間でも明るく・華やかさを演出する事が重要です。
外装デザインで惹きつける事ができたら次は内装デザインに入ります。内装デザインでは見せ場を作る事を意識します。さらに時に景品カウンターを、時に照明を、時に景品棚をより目立たせます。また、見せ場とは逆に細かい所のデザインにも注力する事を大切にします。
店内案内サインでは目立つ工夫を施します。ただ文字を大きくするだけでは、せっかく凝った内装デザインに合わない事もあります。文字のフォントをポップやシックな物にする事や背景色を鮮やかにする事、模様やパネルの形をユニークにする事など、その内装に溶け込みつつ目立つ様な案内サインを目指します。
また内装に欠かせない天井と壁のデザインについては様々な工夫を施す事が可能です。例としては、ミラー素材の材料を使用する事により、店内をより広く感じさせる事などが可能です。
このように店内もどんな雰囲気にしたいかによってデザインは大きく変わります。
パチンコ店では業界特有の島工事が重要です。島の形状により、照明の位置や床のデザインが変わってきます。また、パチンコとスロットで明るさやデザインを分ける事も多く、天井・壁・床のデザインをするにあたり重要な要素になっています。
景品交換所やカウンター、休憩所などが見せ場の一つになる事もあります。内装デザインに統一性を持たせる事は必要かと思いますが、その中で特に景品交換所やカウンターのデザインにこだわる事により、店舗の個性を出す事が可能になります。そのように個性を出す事により、その店舗の印象が強く残るはずです。お店のコーポレートカラーを多く使って全体をまとめる事や、床・壁・天井の素材と照明を使って賑わい感を演出するなどの工夫を用います。また休憩所などはお客様がいかにくつろげる空間になるか、遊技をするつもりがない人でもちょっと休憩をして行こうと思える空間を意識します。
アミューズメント施設はいざ帰ろうとした時に「ちょっと遊んで帰ろうかな?」となる事があるかもしれません。店内にある一つ一つの事にこだわりを持ってデザインする事により、一人でも多くのお客様が店舗に来て頂ける様なデザインを目指します。
改正健康増進法により令和2年4月1日から、アミューズメント施設も喫煙所や分煙対策などが必要になりました。この法律は望まない受動喫煙を防止する目的の為に制定されたものです。分煙の方法として、ガラス張りのサッシを店内に建てる方法や喫煙ブースを設置する方法があります。
アミューズメント施設のデザインと聞くとゲームセンターをイメージする方が多いかと思いますが、ゲームセンター・パチンコ店以外にも様々なアミューズメント施設があります。
カラオケ、ボーリング場、遊園地etc…
その中には、これから更に注目度が増すと思われるカジノも含まれます。
近年、IR法案が制定されカジノが日本に誕生する事が期待されています。カジノといえばゴージャスな外装でラスベガスやマカオが有名ですが、アジア諸国でも、韓国、フィリピン、シンガポールなど多くの地域で行われています。そんな中で日本にカジノを作るにあたっては諸外国に負けないデザインが必要になってくると思われます。
日本のカジノをどうデザインするかを考えた時に、色による心理効果で気分を上げる方法や照明を使用した派手な演出、プレイゾーンによって雰囲気を変えるなど、パチンコ店で使用する内装デザインのアイデアをヒントに、カジノで使っていけるのではないでしょうか。数多あるパチンコ店を参考にカジノをデザインする事で日本独自のデザインが生まれる日も近いかも知れません。