店舗デザイン
居酒屋の内装ポイント 居酒屋での設計のカギ(壁材の違いでもたらす効果や印象)
居酒屋店の売り上げは基本的に稼働率・客単価で決まりますが、今回は内装デザインの観点からどのように他店との差別化を図り、どのような効果をもたらすかといった点についてをまとめてみました。
・居酒屋店は競合が多く存在するため、他店との差別化が重要になります。
店舗ごとのこだわりやターゲットをしっかりと定め、強みをPRして客足につなげます。
例えば:【安さ】【産地】【食材】【居心地の良さ】など
安さ・親しみやすさが強みである大衆居酒屋では客単価が低いため、回転率を上げる必要があり客席数も多く設ける必要があります。
組数も考えテーブル席やカウンター席はどの程度設けるかなど物件の広さや形によって様々です。
その物件にあった最大客席数をとるにあたり、メリットだけでなくデメリットなども具体例を挙げながらレイアウトを考えていきます。
例:ゆとりをもって設計すると席数は25席になるが、通路幅を最少にし椅子を小さめで選定したり、肘掛けが無い椅子を選定することにより最大席数30席確保できるなど
また、効率よく営業をするためにスタッフの導線も考えます。厨房からお客様に料理を提供する時間を少しでも短縮することにより、人件費も削減でき売り上げにもつながります。
高級店では客単価が高いので、一組のお客様に長く滞在していただける 居心地の良い空間づくりが重要になります。具体的には個室を設けたり、和の雰囲気が味わえる床の間や襖・畳を使用するなどです。
特に個室はホールとは違う雰囲気にするために壁紙の素材を変えたり、アート作品を飾ったり、周りの音があまり聞こえないように防音にも気を配るなど差別化を図り、仲間内だけのより落ち着いた空間を演出します。
また、照明計画も落ち着ける空間づくりでは重要になります。
全体を明るくするのではなく、テーブルの上だけを調光できるようにしたり、お店のサインやアート作品などお店の象徴的なものを目立たせるように照らし、空間に強弱をつけます。
また光源を直接見せない間接照明などをバランス良く配置することで上品で高級感のある空間づくりができます。
ペンダントライトなどもアクセントになります。
お店のこだわり 例えば【地酒】【産地直送】【お肉】【海鮮】などをアピールできるようなものをデザインに取り入れると効果的です。
例:日本酒がディスプレイできる棚をつくる。入口付近の目立つ場所に生け簀を置き魚の新鮮さをアピールするなど。
上記にあげた中にも含まれますがカウンターのある居酒屋ではカウンター自体のデザインも重要になります。
存在感が強くお店としての個性も出せる場になるので気を付けながらデザインを進めます。
カウンターは料理人がお客様と近くで接することのできる場であるので清潔感が重要視されます。
また、料理人のパフォーマンスの場でもあるため厨房機器や飾り棚等がお客様のすぐ目の前に配置されている状況が多く発生します。
カウンターに座ったお客様からの目線を重視して、隅々まで配慮してデザインを検討します。
種類が豊富なので、店舗のイメージに合う柄であったり色を使うことで比較的簡単に印象付けできます。
例えば、他店と同じ壁紙を使用しても部分的に貼分けなどで手軽に差別化を図れます。
またビニールクロスは濡れた雑巾や洗剤にも比較的強く掃除が楽にできるといったメリットもあります。
さらに防汚、防水、消臭、耐久、防湿、通気など機能性を重視したものもあるので目的に合わせて使い分けることも可能です。
紙クロスは天然素材なので環境にやさしく、和紙は独特の風合いがあり古くから親しまれる日本の雰囲気を演出します。消音や調湿効果もあると言われています。
海外の輸入紙クロスは日本では見つけることが難しい、大胆な配色やデザインが特徴です。
塗り壁の素材には水や土、植物といった自然素材が使われていることから、アレルギー症状がでたり化学物質に過敏に反応してしまうリスクを減らしたりする効果があるとされています。
また見た目も天然の素材で健康的であると同時に手仕事の風合いがあり、あたたかみを感じられます。
調湿性、断熱性、防火性、防音性といった機能性を備えた物もあります。
木材を使うことで木材ならではの優しい風合いを出すことができるという点や見た目だけでなく、調湿効果や木の香りからぬくもりを感じられる空間になります。
内装デザインは飲食店に付加価値を与える重要な役割を担っています。
まず第一に、入ってみたいと思ってもらえるようなデザインをお客様の目線でデザインする事が重要です。
例えば店内の様子が外からもわかるようなエントランスは、一般的に入りやすいですが、中が見えすぎてしまうデザインでは、今度は中にいるお客様が落ち着きません。
こんなジレンマを、店舗コンセプトにあわせたデザインで解決していきます。
メインの客層やメニュー、理想とする店舗の雰囲気で、求められる内装は変わります。
コンセプトを決めるためには、初めにメインターゲットを設定し、年齢や性別、どのようなものを好むお客様を取り込みたいかなどを考える必要があります。
あれもこれもと詰め込みすぎると、コンセプトが定まらず、お客様にも理解されにくいお店になってしまいます。
お客様がどの席でも心地よく食事を楽しんでいただけるレイアウトが大切です。
トイレの近くの客席や、スタッフの動線となる客席は、食事の時間を妨げないような工夫が必要です。
また、入店時の対応やオーダーのしやすさ、会計時の対応などはすべて顧客満足度につながります。
スタッフがお客様の様子を確認できないレイアウトなどは避けたほうが良いでしょう。
座席数は店舗のコンセプトに合わせて、お客様にとって居心地のよい席数、空間を考慮する必要があります。
フロア、厨房ともに、スタッフの作業効率を考えてレイアウトすることが大切です。
現場スタッフの意見をヒアリングし、レイアウトに取り入れる事も必要でしょう。
日々の業務をスムーズにすることでスタッフも働きやすい環境が整います。
客席をどのように配置するか?
同じ広さでも、レイアウト次第で、席数を多くしたり少なくしたりができます。
ランチやディナー、平日や休日によっても利用組数の特徴は異なりますので、フレキシブルに対応できるテーブル設定は利便性を高めてくれます。
水道や光熱費などのランニングコストをとるか、見た目やコンセプトに合ったデザインをとるか、優先順位をよく考えて計画しましょう。
掃除のしやすさ、清潔さを保てるマテリアルや厨房設計も重要です。
自分の理想の飲食店を作ることのできる業者、飲食店の施工実績が豊富な業者、相談に対応してくれる業者を選びましょう。
飲食店の施工経験が不足していると、見た目は良くても、たとえば動線を確保しにくい厨房機器の配置など、使い勝手を考慮されていない内装になる可能性があります。
また将来的にメンテナンスの頻度が上がったり、設備関係の問題が浮上することも懸念されます。
飲食店の施工経験が豊富であれば、適当なレイアウトや使用すべき仕上げ材も把握できているため、見た目も利便性も高い内装の飲食店に施工してもらいやすいでしょう。
契約前でも依頼者の要望をくまなく聞き、優先したい点、オープンまでのスケジュールに対応し、どのようなレイアウトや仕上げ材を使用すれば使い勝手の高い飲食店にできるかなど、お客様目線で提案してくれる業者が良い業者と言えるのではないでしょうか。