お役立ち情報
食品を取り扱う建物や飲食店を開業するには、保健所の検査を受け【営業許可証】を得ることが必要となります。店舗開業のためには定められた基準、規定をしっかりとクリアしているか、設備が基準通りに維持管理がされているか、安全で衛生的に利用することが出来るような作りになっているのかを検査します。この検査に合格すると、1週間程で営業許可証が交付されます。
一口に食品に関する営業と言っても、営業許可は業態によっていろいろな種類に分けられています。
レストランや寿司屋、旅館など食品を調理し、客席で飲食をする【飲食店営業】
喫茶店、サロンなど店内で調理をせず酒類以外の飲食や茶菓を客に飲食をさせる【喫茶店営業】
お菓子を作り提供するための【菓子製造業】
魚介類を捌いたり販売するための【魚介類販売業】
肉類を処理し加工、販売するための【食肉販売業】
牛乳など乳製品を販売するための【乳類販売業】の6種類があります。
もし開店当初は計画していなかったが、レストランでお菓子やハムなども作り持ち帰りの販売もしたい、となった場合は当初申請をした【飲食店営業】に加え【菓子製造業】や【食肉販売業】も必要となります。申請する前に事前にお店で販売したいもの、業態を考え、保健所の食品衛生課に相談し、どの営業許可が必要か相談するとスムーズに申請することが出来ます。
まず厨房区画と客席は、扉などで区切られていなければなりません。大きい扉ではなく、スイングドアやウエスタン扉を設置すれば問題ありません。
厨房では原則として幅45cm以上/深さ18cm以上/奥行36cm以上のシンクが2槽以上必要となります。食料品を洗う流しと食器を洗う流しをそれぞれ別に用意することによりこれから使う食材に洗い物で汚れた水がかかってしまうことを塞ぐことが出来ます。また、洗浄の為にお湯が出ることも規定として定められています。
厨房には従業員用として一つ、トイレにはお客さん用に一つ手洗い場(幅36cm/奥行28cm以上)が必要となります。また、基本的には固定された容器に液体洗剤を設置しなくてはなりません。
厨房の床がコンクリートやタイル貼りなど排水がしやすく清掃しやすい構造であることが必要です。排水のために排水溝を設置する時は、床に勾配をつけて水はけを良くします。
食品衛生の管理を行う責任者を店舗ごとに必ず一人設置してください。栄養士や調理師資格のある人は食品衛生管理責任者になることが出来ますが、それらの資格を持っていない人は食品衛生責任者講習を受講し、資格を取得する必要があります。食品衛生協会で講習を受け、食品衛生責任手帳を取得しましょう。
営業許可申請の書類は施設工事完成予定日の2週間くらい前に保健所へ提出してください。必要書類は営業許可申請書、営業設備の大要・配置図(手書きのものでも可)、許可申請手数料、(法人の場合は登記事項証明書、食品衛生責任者手帳など、食品衛生責任者の資格を証明するものです。
また、貯水槽や井戸水を使用する場合は水質検査成績書も必要となります。こちらは許可後も年一回以上水質検査を行い、成績書を保管しておきましょう。
申請の際に検査担当者と検査日を確認します。当日は先ほどの【飲食店営業許可の検査ポイント】の規定をクリアしているかを確認します。検査の際は営業者が立ち会って下さい。万が一検査に合格しなかった場合は許可が下りないため、不適事項は改善し、改めて再検査を受ける事となります。
検査基準を満たし、問題がなければ許可証が交付されます。交付には数日かかりますので、事前に開店日を伝え相談しておきましょう。
県や市町村でルールが若干異なる場合もありますので、保健所に事前確認しておくと良いです。清潔で安全な店舗をスムーズに開店するために事前に図面を保健所に持込み、取得するべき営業許可と店内のレイアウトに不備が無いかを確認しておきましょう。
双葉デザインでは、営業許可申請取得の為のお手伝いもしております。